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2018年注目のキーワード「RPA×BPMとRPA×ERP」

企業にとって永遠のテーマである収益性の改善と人材の活用。とりわけ「働き方改革」がクローズアップされている現在は、現場が担う業務の効率化によって生産性を向上させる取り組みがビジネスカンファレンスやセミナーで数多く紹介されている。

こうしたトレンドの背景にあるのは、私たちを取り巻くビジネス環境の急激な変化だ。内閣府「平成29年版高齢社会白書」によると、2030年の日本の人口は16年比でおよそ780万人減少して1億2,000万人を割り込むと予測されている。とりわけ15歳~64歳の生産年齢人口は、この間に5割台へと突入。かつては7割近くを占めていた、もっとも活動的な年齢層が急速に縮小する中、潤沢な人的リソースを前提とした経営手法は根本的に見直しを迫られている。
まさに待ったなしの対応が求められる中、昨年からにわかに注目されているのが、主としてホワイトカラーの定型的な業務をソフトウェアロボットに代行させる「RPA(Robotic Process Automation)」と呼ばれる仕組みで、各業界の名だたる企業がすでに運用を始めている。

RPAがビジネスの現場に浸透する中、今後注目したいのが他のツールとも組み合わせたアプローチだ。具体的には、RPAとBPMを組み合わせた業務効率化や、RPAとERPを組み合わせた業務効率化がある。本コラムでは、BPM、ERPそれぞれの定義や特徴を整理した上で、RPAとの組み合わせがもたらす相乗効果について解説していきたい。

BPM (Business Process Management)とは

BPM (Business Process Management)とは

BPMは、Business Process Managementの略。複雑な業務プロセスの可視化と設計・開発(Plan)、実行(Do)、モニタリング(Check)を通じた改善と再構築(Action)を通じて、業務成果を向上させるコンセプトである。平たく言えば、経営目標を達成するために業務プロセスを可視化し、事業環境に合わせて常に最適化するという継続的な取り組みである。

このように、BPMとは本来、業務プロセス管理の考え方や方法論を示す用語だったが、最近では業務プロセスの可視化やモニタリングといった一連のサイクルをサポートするツールやシステムのことを指す場合も多い。

BPMのコンセプトに関連して、アメリカの経済学者でノーベル賞受賞者でもあるハーバート・アレクサンダー・サイモンは「人間はできるかぎり合理的に意思決定しようとするが、合理性に限界が存在するために、大きな問題が発生した時に一挙に対処することはできず、複雑な問題の解決にあたる場合、問題を分解して理解し解決しようとする。組織の目的は、人間一人では対処できない複雑な問題、これをいくつかの階層に分解し、分解した問題群に人員を配置していくことにある。
こうして組織は、目的の階層化によって、人間の合理性の限界をある程度克服できる。意思決定の範囲が狭まり、収集すべき情報の量も限定されるから。組織が編成される理由もここにある」と述べている。
企業組織が意志決定を行う上で、業務プロセスの可視化・最適化は切っても切れない関係にあることがお分かりいただけるだろう。

もっとも、個々の業務プロセスで効率化や統廃合といった改善を行うには、その完成までに膨大な工数が生じる。さらに1回限りに終わらせることなく継続的にプロセスを向上させていくためには、常時一定のリソースも必要となる。
これらの作業を人海戦術で処理する代わりにBPMソフトウェアを取り入れることで、限られた人的資源をいっそう有効に活用することが可能となる。

ERP (Enterprise Resource Planning)とは

ERP (Enterprise Resource Planning)とは

ERPは、Enterprise Resource Planningの略。経営資源であるヒト、モノ、カネ、情報を最大限に活用できるよう適切に配分する計画を指す。その実行において一端を担う基幹系情報システムを「ERP」と称することも多い。
中でも近年注目されているクラウド型ERPパッケージは、導入期間や運用コストなどの面で従来のオンプレミス型よりも優位性を持ち、導入企業も着実に増加している。

ERPが提供するデータベースは、各業務で欠かせない項目を定型化し「ひとまとまり」の単位として扱うことによって大量・高速なデータ処理を実現している。社内に分散している情報を単一のシステムに集約し、企業が置かれた状況を正確かつリアルタイムに把握できるようにすることで、経営者が最適な意思決定を迅速に行える環境を提供するのがERPのミッションだといえるだろう。

ERPの活用例としては、数千品目の資材の調達管理や在庫管理、そして納品管理を通じたコストの合理化などがある。ほぼすべての業務をカバーする完全統合型のほか、多様な業務に特化したツールも用意されており、導入している業種、業界は幅広い。ERPはいわば、あらゆる基幹業務の効率化と精度向上を支えるインフラである。

BPMとRPAの組み合わせで業務全体の効率を最大化

BPMに取り組む企業がPDCAのサイクルを回していく中では、人手に頼っている煩雑なルーチンワークを改善すべき場面が出てくる。従来、こうしたケースではシステム構築による自動化がまず検討されてきたが、開発期間が長く費用も要することから相応の業務規模が必要とされ、適合しない業務も多かったのが実情だ。

作業内容を記録してソフトウェアに代行させる仕組みのRPAは、実装にプログラミングを必要とせず、現場レベルで迅速な開発が可能。結果として、効率化が必要なホワイトカラーの定型業務をほぼカバーできるため、BPMの実効性を高める効果が期待できる。

代行させる業務があらかじめ明確な場合など、RPAの導入がBPMの取り組みに先行することもあるが、こうしたケースにおいても両者の連携は効果を発揮する。
作業者や作業工程の管理機能を備えるBPMツールには、「デジタルレイバー」を人間の従業員と同様に管理できる製品も存在し、大量のロボットを運用する環境においても、それぞれの作業権限・作業時間を一元管理して進捗をリアルタイムで確認し、作業履歴を保存・検証することが可能だ。ややもするとそれ自体が作業負担を増やしかねないロボットの管理業務(ガバナンス)を確実に省力化できるのがBPMツールといえるだろう。

相互に補完しあうBPMとRPAを併せて採り入れることで業務効率の改善は飛躍的に進む。長期的なRPAの運用を確立するうえでは特に、BPMとの連携が必須といえそうだ。

ERPとRPAの組み合わせで生産性の向上を最大化

現状でほぼ「基幹システム」と同義のERPは、事業活動の骨格となる諸業務に特化したITシステムだ。

定評あるERPが業務分野ごとに存在する一方、各業務で管理するデータを関連する別の業務にも反映させる際、そうした連携にERPが常時すべて対応しているわけではない。
勤怠管理のERPから労働時間を給与計算のERPに反映させる、あるいはグループ企業各社の会計データをもとに連結決算向けの合算を行うといった業務では、ふさわしい連携機能が提供されず、また専用のシステムを組めるほどの規模でもないことを理由に、データ抽出や転記の作業を人手で行っているケースが依然少なくない。
ヒューマンエラーのリスクも潜むこうした定型作業を自動化しうるツールこそがRPAである。

ユーザーが共通のインターフェースにアクセスするクラウド型ERPは、複数拠点のオペレーションを統一して標準化を進めるのに役立つ一方、個別事情に応じたきめ細かな対応が難しく、局所的な視点では業務効率を低下させる懸念もある。こうした場面において、ノンプログラミングでの実装が可能なRPAは、オペレーションの細部を現場レベルで最適化する手段としても活用できる。

ERPを用いた業務の生産性をあらゆる職場で最大化できるRPAのポテンシャルは企業規模も問わない。導入で先行した大企業から中堅・中小企業へ。デジタルレイバーが活躍するフィールドは今後、さらに拡大していくだろう。

ここまで、RPA、BPM、ERPの概要と、活用のメリットを紹介した。継続的な業務改善に向けた体制強化が多くの企業で求められる中、これらの概念が密接に関連し、組み合わせて活用するアプローチが有用であることの理解につながれば幸いである。

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