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ソフトバンク RPAサービス「SynchRoid」提供を開始

ソフトバンク株式会社(東京都港区)は11月1日から、定型的なホワイトカラー業務を効率化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)のソフトウエア「SynchRoid(シンクロイド)」を法人向けに提供し、導入支援や運用受託を含めたRPA関連ビジネスに参入すると発表した。同社は併せて事業提携先のRPAホールディングス株式会社(同)に出資し、技術面での協力関係を強化。ソフトバンクが展開するAI(人工知能)やハードウエア型ロボットと一体的なRPAの利活用を提案するとした。10月19日に都内で開かれた記者発表会の模様をレポートする。

RPA市場に本格進出するソフトバンク

発表会には、ソフトバンクから代表取締役副社長兼COOの今井康之氏とプロセスマネジメント本部副本部長兼RPA推進室長の上永吉聡志氏が、RPAホールディングスから代表取締役の高橋知道氏と取締役兼RPAテクノロジーズ株式会社社長の大角暢之氏が出席。13日付で実施された出資など、両社による協業の概要が明らかにされた。

新事業開始までの経緯と狙いについて、ソフトバンクの今井氏は「働き方改革が叫ばれだした3年前から社内向けにRPAを採用し、大変な労力がかかってきた現場に導入したところ、目覚ましい効果が生まれた。この仕組みをぜひ多くの企業で展開いただきたいということで販売を進めていく。(少子高齢化に伴う人手不足で)採用難の時代を迎えた日本において、RPAの貢献を確信している」と説明。既存事業との関係では、ハードウエア型のロボット「Pepper」や、AIの「IBM Watson」などをRPAと連携させた業務効率化・顧客体験向上のソリューションとして提案する方針で「そういう応用をやりたいという企業がすでに出てきている」(今井氏)と期待を示した。

シンクロイドはRPAテクノロジーズの製品「BizRobo!(ビズロボ)」をベースに開発したもので、人間がPC上で行ってきた定型作業を登録することにより、高速かつミスのない代行が実現できる。24時間・365日稼働させられるほか、操作にプログラミングを用いないことから、日ごとに変化する業務においても現場レベルで柔軟に対応可能な点も特徴としている。

ソフトはライセンス供与の形式で提供し、導入の検討や検証用途向けの「ライトパック(1ライセンス・年額90万円)」と、本格導入向けの「ベーシックパック(10ライセンス・月額60万円)」を用意する。

また関連するサービスとして、ユーザー企業の従業員を対象に操作のトレーニングを行うほか、RPAの運用上欠かせない手順書の作成などに関するワークショップを開催。RPA担当者の能力を客観的に証明できる検定試験も12月から実施する。各企業でのRPAの運用には現場レベルの業務改善を伴うことから、基本的にユーザー主体の取り組みをソフトバンクが支援する形を採るが、要望に応じて開発エンジニアの派遣にも応じる。

社内RPA活用で培った“腹落ち”するノウハウを市場に

事業化に先だって進めてきたソフトバンク社内でのRPA活用状況について、上永吉氏は「意欲ある若手を中心に社内で152人の開発者を育成し、358件の開発を通じて月間9,000時間・60人相当の単純作業から解放された」と定量的な成果を公表。現在は法人営業、人事、法務、技術、総務など26の部門から集まった社員がRPAの推進に取り組んでいる。

同社はこのような1ユーザーとしての実践を通じて蓄積したRPAへの知見や、陥りがちな失敗への対策を整理し、法人営業担当者に伝達。「苦心しているところにズバリ突き刺さる提案、“腹落ち”するノウハウ」(上永吉氏)で競合との差別化を図るとしている。

国内で近年急増しているRPAの導入では、企画・営業などのフロント部門が社内外へ委託する事務作業のように、ある程度「切り出されていた業務」を対象とするケースが多い。合理化のポイントが特定しやすく、まとまった改善効果が得やすいためとみられるが、この日の発表でソフトバンクは、経費精算といった「個人が抱える単純労働」を減らす用途でもRPAをアピール。広範な職種で「働き方改革」を後押しできる意義を強調した。

「RPAを単なるツールではなく社員1人ひとりの相棒・仲間と捉えて、単純作業を代行させるワークスタイルを確立したい。社員は単純労働から解放された時間で新たなITリテラシーを獲得し、また顧客1人ひとりに会う時間を増やすなど、より付加価値の高い仕事への転換を図っていく。そのためには、ノンプログラミングで直感的に作った仕組みを使って作業時間を1時間、2時間減らせると体感する“私自身の働き方改革”が重要で、これを組織の文化として定着させていかなければならない」(上永吉氏)

「情報革命」をビジョンに掲げるソフトバンクが見据える未来

今回の提携強化により、人工的な「手足」にあたるハードウエア・ソフトウエアのロボットと、「感覚器官」や「脳」にあたるAIをそろって事業領域に収める形となったソフトバンク。発表会では「問い合わせメールに対する見積書の自動返信」「アパレルショップ店頭のPepperをインターフェースとした在庫確認」など、これらの技術を融合した活用イメージも動画で紹介された。

「情報革命」の推進をビジョンに掲げるソフトバンクは、IoTによって天文学的水準に達するデータ量を飛躍的に進化したAIが処理する時代に向けて英Armなどのテック企業をグループ化。「ビッグデータを使った完全自動化の世界」(上永吉氏)が訪れると予測する。なお想像の域にある未来への途上にあって「定型作業の自動化を通じた生産性向上」と「ロボットとAIの融合による顧客体験の向上」を図る同社のRPA事業は、「国内200社に2万ロボット」(大角氏)の導入実績を誇るRPAホールディングスの技術力とあわせ、情報革命に貢献する着実な1歩となりそうだ。

 

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