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RPAツール「Blue Prism」とは

「Blue Prism(ブループリズム)」は、世界のRPA市場をリードしているエンタープライズ用のRPAツールである。Blue Prismは2001年に設立。まだ、世の中にRPAツールが存在していなかった2005年に、いち早く製品化を実現。そもそも、「RPA」という言葉を発明したのはBlue Prismの開発元であるイギリスのRPAベンダー、Blue Prism社だった。それ以来、グローバル企業や海外大手企業における多数の導入実績を持つRPAに成長した。

そんなBlue Prismの特徴や活用例、導入事例を詳細に見ていきたい。

RPA市場をリードするBlue Prism

Blue Prismとは、エンタープライズ分野で評価が高いRPAツールである。IBMやシーメンス、チューリッヒ・インシュアランス・グループ、ノキア、プロクター&ギャンブル(P&G)など、グローバル企業を中心に全世界で1,000社以上の導入実績を誇っている。国内でも、多くのRPAベンダーやコンサルティング会社がBlue Prismの取扱いを行っている。

Blue Prismでできること・特徴

Blue Prismは、無人でもロボットがひとつの組織として動作・運用され続けることをコンセプトに開発されている。そのため、単なるソフトウェア操作の自動化を実現するRPAツールとは異なる発想で構築されている集中型RPAソリューションである。

ロボットが組織として動作・運用されるということは、人によって構成される組織と同様に、ロボットにもリソースの最適なコントロールや各種の統制が必要だと考えられているということだ。Blue Prismは、業務結果の監査証跡(データ処理記録)やロボット自身の統制管理などを、システム基盤として保持していることが特徴となっている。

■自動操作用のユニバーサルなプラットフォームを提供する業界リーダーとイノベーターとの提携

サーバー中央管理による全社統括管理型

Blue Prismは、全社統括管理型のRPAツールだ。企業ごとのITガバナンスやセキュリティ方針に準拠したロボットの運用を推進し、内部統制を強化してくれる。中央管理コンソールでロボットを一元管理でき、企業内の各事業部門に分散しているロボットに対して、プロセスの制御、監視、実行、スケジュールを行える。

また、修正履歴の管理や、更新に伴う新旧ロボットの比較も可能だ。ロボットを一元管理できることで、「野良ロボット」と呼ばれる管理者不明のロボットや管理不能なロボットの発生を防止することもできる。

高度なセキュリティにより不正利用を防止

Blue Prismは、高度なセキュリティ機能も提供しており、カード情報セキュリティの国際統一基準「PCI DSS」などの規格をクリアしている。また、ロボットが使用するパスワードの自動生成機能を持っているため、人手をまったく介さずに定期的なパスワード変更ができるほか、操作対象システムに対するパスワードも集中管理できるため、高いセキュリティを確保できる。

これらのセキュリティ機能の搭載により、Blue Prismは金融機関や医療機関といった高いセキュリティとコンプライアンスが求められる組織でも安全に利用することができる。

最新バージョン「Blue Prism v6.4」を発表

2018年11月に、最新バージョンである「Blue Prism v6.4」が発表されている。前バージョンの6.3までで、より詳細な組織単位のアクセス制御が可能になり、業務効率やコンプライアンスの大幅な改善が実現したが、バージョン6.4ではBlue Prismで利用可能な部品を交換できるWebマーケットプレイス「Blue Prism DX (Digital Exchange)」が登場し、自動化を加速させることが可能になった。

マーケットプレイス:Blue Prism DX

Blue Prism DXでは、MicrosoftやGoogle、IBMから提供される先進的なAI機能への接続部品がダウンロード可能。Blue Prismの自動化処理の中に、画像認識、文字認識、自然言語処理といったAI処理を簡単に組み込み、AIの民主化(大衆化)が可能になっている。

また、正規表現でのテキスト置換やWindowsのイベントログへの書き込みなど、かゆいところに手が届く汎用的な部品も公開されている。

新たなレベルのセキュリティとスケーラビリティを提供

Blue Prism v6.3により、企業ユーザーは職務分掌を行ったり、単一の環境で複数の事業部門をまたぐプロセス管理を強化したりできるようになった。この新機能は、チームごとにアクセス権限を絞り込んだり、逆にアクセスレベルが異なる複数のチームを作成したりできるなど、より安全かつスケーラブルな自動化を企業内で実現できる。

これによって詳細な管理が可能になり、権限に基づいて特定のユーザーのみにプロセスの構築とアクセスを許可することで、コンプライアンスの確保も向上する。

Google Chrome、Mozilla Firefoxをネイティブサポート

Blue Prism v6.4では、Google ChromeおよびMozilla Firefoxに最適化されたWebベースのアプリやWebページに対応。

データを直接取得し、処理を自動化することが可能となった。

業務プロセス内の電子メール処理を自動化

Blue Prism v6.3によって、Outlookを基盤とした電子メールプロセス「Microsoft Outlook Email VBO(事前定義済みオブジェクト)」を自動化できるようになった。電子メールや添付ファイルの送信、削除、取得、保存など、Outlook内の電子メールを処理する複数のアクションが用意されている。

VBOを使用することにより、ドラッグ&ドロップといった簡単な操作で業務プロセス内の電子メールを自動化することが可能だ。

Blue Prismと他のRPAツールとの違い

Blue Prismは、高いセキュリティ、コンプライアンスへの対応、スケーラビリティ、効率の良いロボット開発という特徴を持つことから、他のRPAツールよりも大規模な導入に適している。

また、Blue Prismでは、AWS(アマゾン ウェブ サービス)やGoogle Cloud Platform、IBM Watson、Microsoft Cognitive ServicesとのAPI統合機能を標準で提供している。これらのサービスと組み合わせることにより、Blue PrismでさまざまなAI駆動型ソフトウェア・ロボットを立ち上げながら、複雑を極めるタスクでも単一のプラットフォームで自動化して完了させることができる。

Blue Prismの導入時に気を付けること

Blue Prismは、大手企業が求めるセキュリティ、コンプライアンス対応、スケーラビリティ、効率の良いロボット開発環境を持つRPAツールだ。できることが多い反面、最初はどこから手を付けていいか、戸惑う可能性もある。導入当初は、Blue Prismに熟達したパートナー企業の支援を受けることがお薦めだ。

企業の規模や導入規模をよく確認した上で、Blue Prismの採用を検討したい。

Blue Prismの使い方・マニュアル

Blue Prismの管理画面は、ドラッグ&ドロップ機能も使えるグラフィカルな描画インターフェース(GUI)で、操作しやすいのが特徴だ。YouTubeに、操作方法のチュートリアル動画がアップされているので参考になるだろう。

プロセス実行ログ取得画面

Blue Prismでは、Microsoft SQL Serverを使用することで、多くの実行ログを取得することが可能だ。ロボットやプロセスの実行ログのほか、ロボットが操作して入力したデータの内容もログとして残しておくことができる。また、ログを残さないようにプロセスを作成することも可能だ。

■Blue Prism Video Tutorial | 006 | Configuring SQL server for Blue Prism

例外処理ハンドリング画面

Blue Prismでは、例外処理のハンドリングも可能だ。例外時のエラーの処理依頼やアラート通知、一部の再実行の可能性など、自由度の高いプロセス設計と実装ができるようになっている。

以上の動画は英語だが、最近は日本語の動画コンテンツも増えてきている。例えば以下の動画では、日本語でBlue Prismの開発や実行を解説している。

■Blue Prism Video Tutorial | 026 | Exception Handling

Blue Prismの導入事例・実績

イギリス発のBlue Prismは、海外のグローバル企業で普及している老舗のRPAだが、日本国内の大手企業でも導入事例が増えている。国内外の代表的な導入事例を紹介しよう。

第一生命保険株式会社の導入事例

第一生命保険株式会社では、生産性向上・働き方改革の推進に向けて2016年10月よりRPA導入の検討を始め、2017年度より試験運用、2018年度よりBlue Prismを全社業務へ本格導入している。まずは約90のロボットを導入して、反社会的勢力のチェック検証や、新商品開発でのテスト検証、融資先など企業の格付け情報の作成など、約20セクションの業務を自動化し、時間にしてトータル418時間分をRPAで代替。年に1度更新する反社会的勢力のチェック検証作業では、データベースと全保険契約者を付け合わせる作業で2,250時間分をロボットが代替した。RPAを導入した業務全体で27,000時間分をBlue Prismで代替できたという。

2018年前半は、月に15~20業務のペースでロボット開発を進めており、2018年後半にはこのスピードをさらに加速させていく。今後の計画としては、2020年に2,000業務、2022年には3,000業務をBlue Prismで自動化していく予定だ。

■第一生命保険株式会社におけるRPA導入と展開

株式会社ディー・エヌ・エーへの導入事例

ゲームを中心に、さまざまな事業を展開している株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)でも、エンタープライズRPAツールとしてBlue Prismを導入し、運用は100%社内リソースで行っている。RPA導入の目的は、「自動化による業務効率化」「ヒューマンエラーの解消」「システム投資が困難な業務の改善」など、多くの企業で共通している。同社ではRPA導入目的から検討を始め、「システム間のデータの転記作業や繰り返し行う作業を低コストで自動化できる」という点に魅力を感じたところから、Blue Prismの導入を決めた。

また、DeNAでは、自社サービスがシステム障害などで停止した場合に、運用チームが検知して、エラーログから原因調査・リカバリーができる体制でロボットを運用しており、ユーザーアカウント業務の効率化と安心して自社のサービスを利用できる環境の提供といった課題を両立させている。

Lloyds Banking Groupへの導入事例

イギリスの銀行・保険グループ会社であるLloyds Banking Groupは、創業250年、イギリス全体で3,000万人を超える顧客、75,000人の社員、2,000の支店を有している。同社では、RPAを個別のプロジェクトではなく、変革への重要なアプローチとして位置付け、顧客体験の劇的な改善に取り組んでいる。

300以上の保険仲介業者を擁するロイズ・オブ・ロンドンでは、保険契約書の発行業務に対してBlue Prismを導入。作業内容は、案件ごとにテンプレートに沿って項目を入力して契約書を発行するというもので、導入前は500件の発行処理に丸2日かかっていたものが、Blue Prismを導入したことで処理時間がわずか30分へと短縮されている。

O2への導入事例

イギリスの携帯電話会社であるO2では、SIMサイズの変更といった業務を自動化するためにBlue Prismを導入した。同社では、毎月約100万件の取引きを処理していたため、作業負荷を軽減するため、海外に約400人の人員を確保していた。

しかし、Blue Prismの導入によってバックオフィスの運用コストが削減され、作業負荷が急上昇した場合でも人員の調達が不要となった。

Blue Prismの導入対象

一般的にRPAを導入したい対象業務については、以下のような定型業務が多い。それは、Blue Prismの場合でも変わりはない。

・同様の作業を繰り返す業務
・作業時間数が多い業務
・作業時間が就業時間外にならざるをえない業務
・作業時間が限定的で他の作業を中断して行う業務
・作業者が自動化を要望する業務

RPAのロボットは、メール送信を含めたシステムへのデータ入力や、メール受信を含めたデータ出力が得意な分野となっている。Blue Prismでも、このような動作を組み合わせて導入していく形となっている。具体的には、以下の4部門・13業務がおもなRPA導入対象として適しているだろう。

<経理・財務部門>
・売掛・入金業務
・買掛・支払業務
・交通費の確認・精算業務
・資産の管理業務

<人事・総務部門>
・過重労働の管理業務
・人事考課の業務
・経営者に向けた月次報告書を作成する業務

<購買・倉庫部門>
・メールによる発注業務
・Web EDIによる出荷業務
※Web EDIとは、受発注取引を電子的に行うEDI(Electronic Data Interchange)をインターネットで行う手法のこと。

<営業・販売部門>
・販売状況の調査業務
・定期販売する商品の見積もりを作成する業務
・メールによる受注業務
・Web EDIによる受注業務

導入対象業種

Blue Prismの導入対象となる業界・業種は、金融、保険、通信・ネット・メディア、IT、航空・旅行、鉄道、アパレル、流通小売、通販などの幅広い業種である。バックオフィス業務が多く発生する企業であれば、導入対象の業界・業種は問わない。

ただし、Blue Prismは開発当初から、世界的な金融機関のバックオフィスで本格的に利用することを前提に設計・開発されたRPAだ。大手企業が求めるセキュリティ、コンプライアンス対応、スケーラビリティ、効率の良いロボット開発環境を持っているため、導入に適しているのは大規模な業務や、内部統制の対象になるような重要業務、基幹系システムにアクセスする業務だといえるだろう。

Blue Prismの価格・ライセンス

Blue Prismは1ライセンス120万円(税抜き/年額)から導入可能だ。この「1ライセンス」とは、多くの場合、本番環境での実行デスクトップの数を表している。例えば、本番環境で3台の(仮想)デスクトップを並行で動かすとしたら、3ライセンスが必要だ。

特筆すべきは、この「本番環境の実行デスクトップの数」以外では、ライセンス費用が発生しないということだ。検証環境やバックアップ(BCP/DR)環境を構築しても、追加のライセンス費用は発生しない。開発・運用端末の数や、利用ユーザーの数もライセンス費用とは無関係だ。ロボットを束ねる「管理ロボット」という形で追加のライセンスが発生することもない。利用規模が大きくなればなるほど、ライセンス費用の圧縮効果を得られる。

もっとも、Blue Prismの価格は、サービスを提供するパートナーによって違うことがある。パートナーによっては、サービス費用などとセットで提供するケースもある。価格体系の詳細や動作環境などについては、パートナー企業への問い合わせが必要だ。

販売代理店

Blue Prismは、間接販売のみで提供されている。そのため、パートナー企業経由での購入となるが、グローバルパートナーであるアバナード、デロイト トーマツ コンサルティング、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング、KPMGコンサルティングが日本でも販売している。

これらコンサルティング会社だけでなく、IBMやSCSK、日立システムズ、富士ソフト、東芝情報システム、日商エレクトロニクス、NECネクサソリューションズなどのSI企業からも購入が可能だ。

また、日本のRPA業界を牽引する存在であるRPAテクノロジーズからも提供されている。

Blue Prismの動作環境

Blue Prismの動作環境は、以下のようになっている。

■Blue Prismの動作環境

以下の条件を持つ端末やサーバーが必要となる。

ランタイムリソース端末 Microsoft.NET Framework
※インストール/実行前提として必要
※仮想環境を推奨
※同時稼働数分のデスクトップ環境が必要
インタラクティブクライアント端末 Microsoft.NET Framework
※インストール/実行前提として必要
※仮想環境を推奨
アプリケーションサーバー Microsoft.NET Framework
※インストール/実行前提として必要
※仮想環境を推奨
データベースサーバー Microsoft SQL Server

※各端末やサーバー構成、推奨スペック、Microsoft.NET Frameworkバージョンについては、稼働規模やBlue Prismのバージョンにより異なるため、要問い合わせ。

日本法人もでき、サポート体制が充実したBlue Prism

エンタープライズRPAのリーダー的存在として、数多くの導入事例を持つBlue Prism。これまでは海外事例が中心だったが、2017年4月に日本法人を設立したことにより国内導入事例も増えてきている。日本語化も進んできているほか、導入支援メニューも充実してきているので、RPAを大規模導入する際には有望な選択肢として加えていいだろう。

Blue Prism ラーニング

Blue Prismには、「Blue Prism ラーニング」というプログラムが用意されている。このプログラムでは、Blue Prism社によるガイドとサポートにより、受講者それぞれのニーズに応じたペースで、認定プログラムを継続的、系統的に学習できる。

Blue Prismのトレーニングは、Blue Prismだけでなく、パートナー企業からも提供されている。トレーニングの形式や費用(無償・有償)は、トレーニングに応じて異なる。

ユーザー会

Blue Prismは、ユーザーコミュニティを支援するためのプラットフォームであるユーザー会を提供している。ユーザー同士のネットワークづくりやアイディアの共有、課題についての相談、解決策の共有、Blue Prism製品の将来の機能に関する提案などが行える、対話型の協働環境となっている。

会合は年に3回程度、開催される予定だ。

ダウンロード資料(PowerPoint/PDF)

会社概要

会社名:Blue Prism株式会社
資本金:非公開
設立年月:2017年4月
代表者氏名:バイスプレジデント ポール・ワッツ
事業内容:Blue Prismの販売とサポート
本社所在地:〒105-0001 東京都港区虎ノ門4-3-20 神谷町MTビル14F

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