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アビームコンサルティング株式会社 安部慶喜氏 インタビュー

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アビームコンサルティング株式会社 安部慶喜氏 インタビュー

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公開日
2018年11月16日

安倍 慶喜

会社名
アビームコンサルティング株式会社
役職
戦略ビジネスユニット執行役員プリンシパル

Q:働き方改革でRPAが注目されている中、その対象となっているホワイトカラーの働き方についての問題点は?

安部:もともと日本の企業自体の問題点というのがずっと昔から続いていて、日本企業ってやっぱり、昔は終身雇用というのがベースになっていて、今もそんなに変わっていないと思うんですけども、この企業文化というのが、業務プロセス、働き方にまで全部影響しているんですね。やっぱり終身雇用になっていると、その人がずっと、言ってしまえば新卒で入ったら、もう35年間ぐらいずっといるというのが前提で、そうすると、割と日本企業って、海外と比べてもローテーションとかもせずに、同じ業務の、同じ役割の中でずっと成長していくと。つまり、自分の部署の中で上に上がることしかキャリアパスはなくて、人にもう全てひも付いてしまうと。人にあらゆるノウハウ、あるいはルール、そういうものが全部人の中にひも付いていて、業務をやるときに、人の役割はあるんだけども、業務を定型化できないんですよね。「部品化」とわれわれは呼んでいるんですけども、1つ1つ部品としてつくっていく。プロセスもそうだし、ルールとか制度もそうだし、そういうものが欧米と比べて人にひも付いてしまって職人化していると。

職人というと、すごくいいところもあるんですけれども、例えばその人にお願いしたら、どんな複雑なことでも処理をしてくれると。なので、出す側もあまり考えずに相談すれば、そこで全部完結してくれるというのはいいところなんだけども、逆に言うと、職人化しているがゆえに正規化されていなくて、先ほどの部品化ですね、がされていなくて、結局ルールとかも複雑化していて、明文化できるレベルにないと。人の中で全部複数処理しているので、どんな複雑なものでも受け入れて処理してしまう。

こういうことをずっとやっているので、こういう企業文化がすごく非効率性を生んでいると。そうすると、1人1人はすごいスーパーマンで、その道のプロなんだけども、業務プロセス全体から見ると複雑なものを、本当に人のパワーで処理をしていくようなやり方になっていて、その人が休んだら、もう業務誰も分からないとか、結局システム化で大規模に業務改善するとか、システムを入れて改善するとかという時でも、結局その人に聞かないと分からないというようなことがあって、なかなか業務改善そのものも全社的には進まない、こういうのが日本企業のうまくないところ。こういう弊害が、例えばアウトソーシングだとか、大規模なシステム化とか、そういうところにも出ていて、そういうところで欧米企業に比べると遅れていると。部品化できていないがゆえに、例えばERP(Enterprise Resources Planning)とかもうまく使いこなせない。アウトソーシングで切り出したし、シェアードでグループでまとめたり、そういう標準化とかもできない。

そういうのが非効率性をどんどん生んでいて、その結果がGDP自体も、先進7カ国の中でも圧倒的最下位で生産性が悪いと。人は一生懸命仕事しているのに生産性が悪いと言われる。そういう企業文化があるせいじゃないかなと思います。


Q:日本企業は生産性が低いと言われることでネガティブに見られがちですが、それは仕組みが悪いということで 個人が怠けているということではない?

安部:そうですね。日本企業ではそれが一番大きな問題でしょうね。やっぱり海外から見ると、日本ってものすごい仕事、真面目なんですよ。一生懸命するし。世界のいろんな、私もコンサルティングで行きましたけども、やっぱり日本がもう1番といっていいぐらい、例えばルールどおりに仕事をしようとするし、真面目に、不正とかもしないし、ちゃんとミスもしないようにチェックするし、品質も一番いいんですよね。集中力もあって、1人1人の処理自体は決して海外に劣る、むしろ劣るどころか、本当に効率性というか、1個の仕事の処理の効率性は高いんだと思うんですよ。だけど、さっき言ったようなプロセス全体を見たときに、やっぱり非効率なやり方になってしまっていて、それが生産性そのものを下げている要因になっているんだと思うんですね。


Q:RPAブームが続いているが これだけ短期間に普及した理由は?

安部:やっぱりちょうど2、3年ぐらい前から、長時間残業の問題というのが、まずはワっとメディアを中心に問題視されて、そこをやっぱり重く受け止めた各企業さんが対応をしていったと。これが一番最初にきっかけとなる働き方改革の入り口だったと思うんですね。 で、ちょうどそのときに、将来的には少子化問題というのも、やっぱり労働者数が減っていくというのがもともとありましたし、それに加えて、先ほどの生産性がよくないよねと言われてきたこともあって、そういうことを足し算でそういうメスを入れましょうと。働き方改革というのが起こって、それこそ残業をどうやって抑制して、効率化していくんだと。そのときにちょうど、それとはまた別の世界で、やっぱり第4次産業革命というところでデジタル化、ロボティクスとかAIとかを使って生産性高めましょうというのがちょうどありました。当然産業用ロボットというのは、日本も外国に遅れることなく早く取り入れて、もうそれは完全に普及はしているんですけども、ホワイトカラーの生産性というところでは、やはりずっと後れを取っていると。それこそデジタル化という部分に関しても、本当にコンシュマー、一般の人というのは、もうそれこそスマホもかなりの普及をしていますし、それこそインターネット、パソコン、1人1人が持っているなんて当たり前。

仕事でも使って当たり前というふうな状態にはなっているものの、じゃ、本当にデジタル化というところで、AIとかIoTとかビッグデータとか、こういうものを活用うまくして、ビジネス展開できているかというと、やっぱり欧米に比べても少し遅れていると。この遅れている理由の1つも、これ「鶏と卵」になるんですけども、やっぱり業務改革というものは難しくて、新しく事業を起こすというのもなかなか難しくて、割と1つのものを長く継続させるという、日本人の得意なところとちょっと相反している部分があって、なかなかうまくビジネスができなかった。

そんなときにこのRPAというのが、ちょうど同じような時期に欧米の方から広まって、半年から1年遅れぐらいで日本には上陸をして、先進企業さんが取り組みをして、やっぱりこのRPAがAIとかIoTとかとの違いの部分で最も発揮できたのは、すぐに効果が出るという部分だと思うんですね。導入して成果が出るまで、それこそ数カ月というので、もう実効果が出ていく。効果は非常に分かりやすくて、業務量が削減される。こういう分かりやすい、早く効果出る、明確、こういうところでRPAというのがすごく成果になる。これがちょうど働き方改革を取り巻くいろんな課題に対してマッチして、世界でも類を見ないぐらい、RPAというのはワっと短期間に普及した理由じゃないかなと思います。


Q: RPAが急速に普及した一方、導入されている企業で課題となっている事は?

安部:これだけ短期間に普及したというのも、やっぱりちょっと問題、課題とひも付くんですけども、皆さんそんなにRPAというのもどんなものかというのが、ものすごく机上で研究したというよりかは、もうすぐに効果出ている企業さん、ばっと出てきたので、われ先と、そこはPoC(Proof of Concept)という形で、技術検証という形でどんどん下がっていったんだと思うんですね。

これは私は非常に正しいことだと思っていて、やっぱりさわって感じることというのがものすごく大事なので、どんどんPoCというのはやった方がいいと。それをどんどん皆さんやっていったと。やっていったんだけども、そのときにはもう本当に、これRPAのいいところでもあるんですけども、すごい小さいスケールでやれるんですよね。小さいスケールでやれて、それこそ期間も手間も金額も小さいスケールからやれるので、ちょこっと個人的にやるような、そういうテストの仕方をワっと皆さんがしていって、中には会社で、もう働き方改革という一環の中で取り込んで、会社として対応してやっていったところもあるんですけども、そうやって個人でワっと使い始めているようなところって、やっぱり一番成果は出るんですよ。個人で成果はどんどんどんどん出ていくんですけども、やっぱりこのワっと広がってきたところで、今皆さんが非常に、どうしたらいいんだとつまずいているポイントというのが、本格展開のところでの実際の運用面ですね。どうふうふうに、どう広げるかというのは、これはそんなに難しくないです。RPAというのはどんどん効果出るので、隣の部署で「効果出たよ」といったら、うちも使いたいというのはわっとすぐに広がります。なので、広がるのはそんなに難しくない。

ところが、やっぱりここにワっと勝手に使っていくとなると、会社としての管理、運用、統制、どうしていくんだというのは大きな問題になっていて、結局昔、Excelマクロとかがワっと、流行ったときのようなやっぱり課題は、非常に大きな課題として残したのが統制面ですよね。どこでどう使われているかも分からない。ともすれば、使っている本人でさえ、もう前任者からの引継ぎで、これが何の処理をしているのかが分からない。とにかくボタンを押してくれと言われたから押して処理している。でも、どんな処理か分かりません。こういうのがいろんな小さな事故を生んでいっているんですよ。

で、われわれもこういう統制の利かないところでどんどんつくられたロボットのことを、「野良ロボット」という言い方をしているんですけども、結局会社として管理ができないので、内部統制の与える影響ってどうなのかとか、例えばあるシステムを改修しようと思ったときに、それが与える影響ってどうなのかとか、それが分からないまま処理をしてしまうので、気付いたら動かなくなっているとか、動かなくなると、そのプロセスをリカバリするのも決められていないので、業務自体が勝手に止まっていたと。そのことすら、例えば知らないとか、そういう問題になったり、ひどいところでは、個人が不正に使うとか、そういうことも起きてしまう。やっぱりロボットってすごい処理速度なので、人間では考えられないような不正行為も、やろうと思ったら悪意を持ったらできるんですよ。でも、悪意を持ったらできる状態を会社は許してはいけないので、それをちゃんと統制を取らないといけない。

そういうことを考えずに、まずは効果ってワっとやっていくと、そういう落とし穴にひっかかっているところというのは、非常に多いんじゃないかなと。これはそういう広げていくときに出てくる、個人個人がやっているからこそ出てくる問題ですけども、組織としてやって、ちゃんと統制もかけているところで起きている問題というのは、その次の段階ですよね。それを乗り越えて、組織として普及させてというときに出てきている問題点として言われているのは、これを誰がこの後運用していくのと。面倒見ていくのと。誰の責任でロボットを作る、作らないを決めて、それを誰が修正していくのか。ロボットってソフトウエアなので、まず、バっと思い浮かぶのはIT部署。割とIT部署が主導されているケースも多いんですけれども、これシステム以上にものすごい数が広がるんですね、社内に。そうしていったときに、1個1個IT部署が全部面倒見れるかという問題は、非常に大きい問題かなと。

あとは業務にすごく根付いているので、本来はやっぱり業務部門の方がちゃんと中身を分かって、プロセスと一緒に面倒見ていくと。例えば新人がある部署に入ってきて、その人を育てるのに、誰が面倒見るのというと、その業務の担当している人が直接見るんですよね。別に人事部が最後までずっと教育しているわけじゃないですよ。会社としてのルールは人事部がつくりますよね。採用をしてきて、会社としての制度のとおりに、この会社の基本的なルールってこういうふうになっていますよということは、最初に教えますよね、研修で。だけどその後は、その部署の中で育てていくじゃないですか。失敗するのも、その部署が責任を負うし、その人はどういうキャリアバスを踏むべきかというのも、その部署で考えていくはずなんですよね。だからロボットもそれと同じなんですよね。

このツール自体をどんなツールにするんだとか、会社としてどういう統制をかけるんだとか、どういうルールにしていきましょう。この辺はIT部署が見たり、全社の推進、働き方改革部署が見たりというのはいいと思うんですけども、じゃ、その後、どうそれを育てていって、どういうふうにうまく使っていくかというところは、やっぱり現場部門が見ていかないといけない。ただ、そうはいっても、じゃ、現場部門が見ていくときに、前者的な基本ルールというのをどこがつくるのかというのは、やっぱり課題として残ってくるんじゃないかなと思います。


Q:RPAを導入・運用していく中で、IT部署では背負いきれない部分はどうすべきか?

安部:このデジタルって、やっぱりITでありながら、完全にITの考え方ではないんですよね。デジタルというのは、事業そのものも変えてしまうし、社内のプロセスも、社外とのプロセスも、ビジネスプロセス全てを変えてしまうんですよね。もうITがそれを助けるというレベルよりは、もうデジタルそのものでビジネスに何かつながる、新しいビジネスにつながる。こういうことも十分起こり得る。特定の部署、特定の業務ではなくて、もうあらゆる業務にこのデジタルというのを活用できるようになる。そのそれぞれの活用を考えると、もう候補となるようなデジタルツールというのは、無限大に近く存在する。なぜ無限大という言い方をしているかというと(笑)、日進月歩でどんどんつくられていくんですよ。これからどんどん増えると思います。どんどん変わるんです。その変わるのも速いと思うんですよね。今までの基幹システムとかというスピードとは、もう考えられないぐらい、デジタルのスピードって速くて、1年使って、もうやめて、次のものを使う。こういうのもどんどんやっていく時代になると思うんですよ。だからクラウドでどんどん提供されて、すぐに使えて、使った分だけお金払う。こういう考え方というのはデジタルでは当たり前の世界ですよね。

今までもあったんです。AIもあったし、IoTもあった。ただ、これはあくまで企業がまだ推進、検討する段階。検討しているので、推進部署として、デジタル推進部というのは、幾つかの企業さんでありますけども、あくまでこれは企画をするような部署であって、これがまだ運用というレベルまでは来ていない。それはデジタルが本当の意味で企業の中に入っていないから、デジタルを活用できていないからだと思うんですよ。でも、このRPAというのは、本当に全社的にバっと広がってくると、それこそ何千体というロボットを1社で見るということも、これから起きてくると思うんですね。

そうしたときに、その推進部だけじゃなくて、推進機能に加えて、やっぱりそれを運用していくという機能も重要になってくる。そういうところを各部署がバラバラでやっていくんじゃなくて、1つのそういう中央に機能として、コーポレートに置いて、そこがいろんな情報を抽出、いろんなところから取ってきて、全社的に伝えてあげて、何かのデジタルで自分の事業に取り入れるときには、それの推進としてお手伝いするし、運用に回らなきゃいけないときには、その運用ルールを一緒に考えて、全社的な取り決めをつくる。そういうふうな機能というのがやっぱり必要になってくるかなと。これがどういう名称になるかというのは別として、単純に言うとデジタル部みたいなのができるんじゃないかなと。デジタル推進でもない、運用でもない。その両方の機能を備えたようなデジタル部署で、これは決してホワイトカラーの改革だけじゃなくて、事業そのものの企画、計画。こういうこともデジタルの面からサポートする。そういうふうな、もちろんツールの能力もITリテラシーがないと駄目ですけども、業務の内容に詳しかったり、自社のビジネスに詳しかったり、そういう人たちの集まりになるのかなと思っています。恐らくその部署は、私は、いろんなキーとなる事業部だったり、コーポレートの部署の選抜メンバーが集まって、一時的にここの部署にいる。専門組織ですよ。専門なんで、移動してくるんですけども、この人たちは常に数年に一回、元の部署の人間とローテーションをしていく。

そうやっていろんな人が、いろんな部署のノウハウを結集した部署になるし、いろんな人がデジタルの推進とか運用を経験して、デジタルってこういうものなんだというのを持ち帰って、また自分の部署のところで活躍すると、こういうふうな組織がこれからできていくんじゃないかなというふうに思っています。


Q:RPAの企画・運用を担う新たな部署が企業のフロントランナーといった存在となる

安部:日本企業は特にそうなんですけども、やっぱり高度成長期でずっと同じ事業で、単一事業で割とやってこれたんですよね。日本自体がずっと成長していったので、みんなの売り上げが上がってよかったんですけども、やっぱり頭打ちするところまで来ていて、日本の中ではもう飽和状態で、それこそもう消費者も、少子化していくのでね、増えないし、これ以上伸びないというところまで、日本のいろんな産業で同じ問題が起きているという感覚なんですね。この次にやっぱりやっていかなきゃいけないのは、新しい事業へのチャレンジ。自分たちの資産。資産というのは、お金とか土地だけじゃなくて、人材もそうですし、それこそお客さんとの接点もそうですし、あるいはノウハウとかもそうですね。こういうものを生かして、新しい事業、新しい産業にどうチャレンジしていくのか。こういうことが日本ではずっと課題で言われています。そういった課題の中で、今みたいなデジタル化というのって、ある意味、それこそ場所も気にしない、スピードも人間には考えられないスピードで行われる。大量扱える。こういった武器になると思うんですね。これを組み入れて、どうやって新規事業化していくか。新しく事業を起こすのに、デジタルを一切使わないというのも、もう考えにくい時代じゃないかなと。もうデジタルがあって、それをうまく使って、どういう事業を展開していくかというのが、これから日本企業の生き残りのキーワードになってくるかなと思っています。だからこういう意味でもデジタル化を推進していくような、そういった部署というのは、ものすごい会社にとっては大きな部署になるんだろうなと思いますね。


Q:ロボットと人間が共存することのベストなシナリオはどういった形か?

安部:よくこのRPAも、RPA対象ってどういう業務ですかというので、みんな分析するときに、プロセス全体が全部RPAでできるものじゃないとできないんじゃないかというのが、よくある誤解なんですよね。デジタル化も同じように、デジタルでできるところ、ロボットとかAIでできるところって、本当に人間との組み合わせで考えると、ものすごい本当は多いんですよ。本当に人間じゃないとできないところだけと考えると、例えば1個のプロセスの中で、絶対に人間が判断しなきゃいけないところはどうしてもある。これは絶対にAIではできない。絶対それはあると思うんです。そういうときに、それってじゃ、このプロセス全体のどの部分かというと、ほんの一部だということなんですよね。その前に、例えば情報を集めて資料をつくって判断するためのものをつくる。あるいは判断した後高速処理をする。こういうところってデジタル化できる領域って、まだまだ広くて、なので、本当にやっていくべきところというのは、人間とデジタルツールとコラボレーションですよね。それぞれが一緒に強みを生かしながら、デジタルツールというのは、大量処理をして、スピードが速くて正確であるというのが特徴なので、それを最大限生かして、どう人間の判断とか、人間にしかできないことを組み合わせて、新しい業務、全く新しいデジタルプロセスをつくっていくかというのを、これからそういうことを考えていかないといけないと。で、そういうことを考えていける人というのは、われわれそういう人たちを「プロセスイノベーター」という呼び方をしていて、プロセスをつくってイノベーションしていく。常にそういうことを考えていく人というのが、これからすごく重宝されていくんじゃないかなと。このプロセスイノベーターがそういういろんなツールとの、デジタルと人間の組み合わせによって、新しいプロセスを完全につくっていく。デジタル自体のプロセスをつくっていく。そういうことがこれからは重要になってくるんじゃないかなと思っています。


Q:デジタル部の事業展開で担い手となる「プロセスイノベーター」について

安部:プロセスイノベーターは、最初は一時的には推進組織にいた方が集約するから、発揮しやすいんですけれども、運用するときには、やっぱり各業務部門の中にいないと駄目だと思うんですよね。それぞれの仕事の中で、自分の仕事を変えていくというのがイノベーターの仕事であって、推進者と本来は別で、ちゃんとそれぞれ1人1人が、本当は、言ってしまえば、ほぼ全社員がプロセスイノベーター化していくことが本当は重要で、なので、さっき言ったようなローテーションしたりとかってしながら、プロセスイノベーターはやっぱりこうどんどんつくっていくというのは、結構重要かなと思います。

人間って、やっぱりロボットとかAIとの違いって、ロボットは一を百にするのってものすごい得意なんですね。人間はゼロから一をつくる。これがキーワードになってくるんじゃないかなと思っています。ないものから1つ目をつくる。これは人間しかできないんですよ。どんなに優秀なAIでも、今存在するAIというのは、もう統計学と論理と、本当に数字でしか表せない。そういう機能しかなくて。なので、論理と統計で証明できるものしかできないんですよ。だから所詮過去にあったものから統計学でそれで論理で積み上げて答えを出すしかできない。これは一を百にするというのはできるんだけど、それは人間よりも正確だし、人間よりも速いしというのは間違いないですよ。だけどゼロから一は絶対つくれないですね。ここに人間の今の役割というのが存在するんだろうし、あるいはもう1つは、人間の心を動かせるというのも人間の仕事ですね。

なので、人の心を動かして何かをなし遂げていく。こういうふうな役割というのも、人間のこれからキーワードになるかなと。どうしても人と人が会って話をするような、例えば営業活動とかというのは、人間の役割としては非常に重要なものだと思うので、その中でもデジタル機能を使って、デジタルで駆使したデータで話をしたり、それこそ手続を楽にしたり、そういうことも当然工夫はしていくんですけども、人間機能としては残っていくんじゃないかなというふうに思っています。


Q:もう一度日本がナンバーワンを目指す場合、どういったところでデジタルイノベーションを起こしていけば良いのか?

安部:そういう意味では、今のホワイトカラー改革も全くそのとおりで、かつて欧米企業が先行してやっていたロボティクスとかを日本が取り入れて、それをでも、もっと高度なもので、もっと精密にしたせいで、日本ってすごい製造業を中心にワっと成長したんだと思うんですよ。今回もRPAとかデジタルって、やっぱり欧米からスタートはしているんだと思うんですよ。だけど、それをうまく使って、今、例えばRPAでいっても、例えば簡単な業務オペレーションに使っている部分でいうと、欧米がやっていたものをまねしているにすぎないですけども、日本はそれからいろんなものにチャレンジしたんですね。例えば 商品企画とかそういうところの分析をRPAにさせたり、あるいは自社製品のユーザーの声とかというのをネットで流れているのをRPAで集めさせたり、そういうちょっと高度な、いわゆる完全に提携業務というよりは、そこから分析をしたり、あるいは何か示唆を出したり、そういうところの業務にまでうまく取り入れているんですよね。

で、このことって、実は欧米にはないんですよ。欧米というのはもともとそれぞれアウトソーシング会社、シェアード会社というのがちゃんときちっとしていて、いわゆるオペレーションのゾーンと企画のゾーンというのは、もうエンティティーが分かれている状態。やっぱりこのRPAというのは、ほとんどそういうオペレーションのところで使われているんですね。だけど日本の現状を見てみると、決してオペレーションなところだけじゃなくて、かなり企画業務だとか、キーになるような非定型化の業務にでもかなり使っているんですね。営業の分析だとか、そういうのにもかなり取り入れていて、これは日本企業自体がオペレーションと企画が分かれていなくて、同じエンティティーの中にあったから、オペレーションで使ったら、これ企画にも使えるんじゃないかって、どんどん使っていったと。だから生産性ってものすごい変わっていっている。だから効果も大きいんですよね。これは結構、欧米企業から、逆に日本に問い合わせが、私のところにも問い合わせがあって、何かこう同じ産業で、金融機関でこれだけの効果を出しているというけども、ちょっと何でそこまで行っているんだ?とか、もともとオペレーションがいっぱいあるというのはもちろんあるんですけども、逆にそういう調査とかで使っているというのは、どういう使い方をしているんだと。そういうふうな、企画で使っていると聞いているけど、どういうふうなことをやっているのと。そういうふうな、本当のホワイトカラーの全部の改革に今使われているので、ここは日本がリーチしていっているところだと思うんですよ。なので、この勢いというか、このデジタルの第一歩がRPAだと思うんですけども、RPAそのものも、やっぱり使えるところを完全にやっぱり使っていくということをやってほしいですし、いろんなところにRPAが使われたら、今度はそこに別のデジタルツールというのをどううまく活用できるかなというのを、動きを止めずに考えてほしいなと。

先進事例でいうと、そこにOCRを組み合わせて、紙からの業務まで全部デジタル化してしまった。あるいはワークフローシステムというのを入れて、業務を部品化していった。あるいはAI機能を入れて、AIをRPAと組み合わせて、非提携業務、AIじゃないと答えが出ないような、そういうふうな業務。判断業務もデジタル化していった。そういうことにチャレンジしていっているんですね、先進企業は。そういうことをやっぱり日本中の企業が動きを止めずにデジタルツールをどんどん取り入れて、効率化していくと、今の生産性の悪さというのは、逆に私は日本があるとき世界一生産性のいい国になるんじゃないかなというふうに思っています。


Q:日本的なRPAの使い方は 世界的なものへと変化していくのか?

安部:そうですね。

日本の今の使い方って、そういうオペレーション以外の部分にどんどんどんどん使われていっているので、そういうことというのも、恐らく欧米でも同じようにやられていくでしょうし、今、アジアの国からかなりこういう、日本がそれだけ生産性をよくするやり方は、RPAを使ってやっているというので、問い合わせがすごい多いんですよね。弊社もアジア各国にオフィスがあるので、そこでRPAビジネスというのは、かなりもう進めていっている状態です。そういう意味では、アジアの国々というのも、これからアジアの中で日本が一番「課題先進国」と言われていて、アジアはその何年か後に、日本と同じような課題が起きる。その前にもうどんどんRPAを取り入れて、生産性も成長とともによくしていくということをやっていくんじゃないかなと。そうするともう、世界中がRPAを使っているというのは当たり前の世界になってきて、人間とRPAって同じように最大限活用して、生産性を高めるというのは、もう普通になるんじゃないかなと。逆に言うと、そこに乗り遅れた企業は、恐らく世界でも、日本国内でも戦えなくなるんだと思います。

RPAだけでいうと、生産性というのが一番取り上げられますけども、RPAというのは、デジタル化の入り口だと思うんですね。これを機にデジタル化を進めていけるかどうかというのは、事業そのものにも大きな影響が与えられると思うので、生産性というレベルだけじゃなくて、それこそ事業の展開、売りの方にも、ものすごい差が出てくると思います。この機会にうまくデジタル化までジャンプアップしていくというのが、日本企業のこれから生きる道じゃないかなと思うんですね。

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