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日本生命RPA導入事例紹介_日本生命保険相互会社

■概要
一般社団法人「日本RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)協会」によって、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用した次世代の労働力(Digital Labor)利用を検討している企業・団体に向けて、日本型RPAの適切な活用を推進していくための「RPAリソース・クリニック」を2017年2月7日(火)に開催しました。 当日の、講演の様子を動画で配信しています。

■動画の内容を読む

こんにちは。日本生命保険相互会社の宮本と申します。今日は、「日本生命RPA導入事例紹介」というテーマで話をします。どうぞよろしくお願いいたします。

今回、お話させていただく内容は、大きく3点あります。

1つ目は、弊社がRPA導入を決めたきっかけ、2点目はRPA導入に向けた取り組み、3つ目は、RPA導入の効果です。

全自動化に至った背景は、IT進化による「事務レス」

私が直接関わったのは3つのプロジェクトです。1点目は、IT企業のニッセイ情報テクノロジー株式会社(以下、ニッセイ)です。ニッセイは、保険業界のノウハウを活かしたITコンサルティングや各業種向けアプリケーション開発、セキュリティ対策などのITソリューションを提供しています。主に一般マーケットへ向けた企画営業にて「事務の全自動化」に挑戦をしました。

事務の全自動化に至った背景は、2010年にITが進化して「事務レス」ということが言われるようになったことです。当時、生命保険の領域は、事務員がお客様の面前でタブレットに申込書を完結させるというような、事務レスに対する投資が始まった時代でした。

我々は、そのとき世間が目を向けていない「紙事務の効率化」ができないかと考え、事務の全自動化として「OCRで紙を文字認識させて、あとはロットに自動点検・記入力させる」というプロジェクトとなりました。

部門Aはいわゆるハンド事務が多く、システム化の範囲が比較的少ない領域です。冗長的な事務フロー、これは「事務リスク」と言われます。何度もチェックをするような事務フローだったので、のんびりとした「昭和の事務」と揶揄されていました。しかし、そんな昭和の事務も業務量が急激に増加したことで、環境の変化がありました。

2点目は、複数システムの基盤問題です。これは、ケア化システムというのが5つあり、モルモット的にシステムを増やしていたような領域でした。

3点目は、2016年から開始した部門Bのプロジェクトです。これは、来年度からロボットを導入しようと動き出しており、今年実験しはじめたところです。部門Bのプロジェクトの課題は、少量多品種という非常に少量の事務が多くあるために、新商品が増えたときの対応や、顧客用語への対応、または政府課題、いわゆるマイナンバーのようなものが中心です。

5年に1回ぐらい大規模投資をするのですが、いくら投資をしても、なぜか業務は減らない。なぜだろうと原因を分析すると、ロボットの導入が見えてきたので、来年から導入することになりました。

業務委託の納品データ処理をロボット化

部門Aの課題である「大量のハンド事務の効率化」は、住所などの顧客情報を入手した段階でその情報をデータとして確定させていないと、再び入力し直して確定させなければならないという冗長的な事務フローになっていました。

たとえば、お客様の住所変更です。従来は、コールセンターでお客様の電話照会を受け、住所などの情報を入れていき、さらに紙で打ち出して、それを今度は保全契約維持チームに渡して、それを契約保全チームに入れる。そしてやっと情報が確定するという事務フローでした。

そのフローや職務権限、待遇の見直しを実施した上で、ロボットを導入しました。事務フローをどのように変えていったかと言うと、申出内容を受付たコールチームの段階で住所を確定させるようにしました。そして紙に出すのではなく、情報を入手した段階でCSVファイルを生成し、ロボットが自動的に処理するようにしました。ここでのポイントは、コールセンターで情報を確定させるということです。事務フローの見直しだけでなく、職務権限やコールセンターの処遇見直しも実施しました。

もう1つの課題が、業務ピークに対する要員追加の限界です。月末の業務量が通常の3倍ぐらいになる状況があり、それを業務委託によって解決しようとしたとき、固定要員が変動費化するという複数の問題を解決するというためにロボットを導入しました。

契約管理システムは複数あるため、業務委託をしたとしても、納品データを契約管理システムに連動するための開発が高コストになってしまうという問題がありました。そうなると結局、業務委託では費用対効果が合わないので、人を追加してきたという歴史がありました。

そこで、業務委託の納品データをロボットに1件ずつ処理してもらうようにしました。開発なしで非常に安いコストでロボット化ができ、業務委託によって生じる課題も解決できたという事例です。


常に事務量が増え続ける、システム構造の課題を解決

次の事例は部門Bで、ここの大きな課題は、大規模投資で効率化を図っているにもかかわらず、事務量がなかなか減らないことでした。

事務効率化のために5年単位で大規模なシステム投資をして、業務のダイレクト化やワークフロー改善をし、さらに毎年、小中規模のシステムを投資し、その他の組織や外部委託で求められる事務の効率化を図っていた状況でした。

ところが、投資をする一方で事務に新しい業務が増えていき、投資時点から比べると、相対として事務作業量が増加していると分かってきました。

なぜ事務が増えるのかというと、新規案件が発生したときに「ハンド事務」と「システムに依存する事務」の両方が増えていくという構造になっていました。システムに依存する事務の場合は、入力する画面が増加していきました。

その理由はシステム構造にあります。構造的に商品などが増えると、事務のためのシステム画面が追加されていきます。ユーザビリティという面でも、たとえば新商品が売れたとき、使う側にとっては今まで使ってきた画面の慣れがあるので、基本的に「既存商品と同じような入力ですよ」と「ここをちょっとだけ変わっただけですよ」と話すと、相手はすごく安心するんですね。このように、手続きの慣れというのがあるので、事務のシステム画面は増えていきます。

この課題に対する解決策として、新規事務や新規案件が発生したときは、増加抑制として、RPAでも代替していくようにしました。

既存事務への大規模投資は行うのですが、やはり投資の対象外になってしまう事務があります。これをRPAで代替して、更なる効率化を推進していきます。ポイントとしては、既存チームをRPAで代替するだけだと、結局一時的な取り組みで終わってしまうことです。そうではなく、今後、構造的に増えてくる事務をRPAで代替していくことで、全体的に効果があるのではないかと考えています。

理想の事務設計としては、新規案件が発生したときに、これまでの従来どおりの事務構築、つまりシステム開発プラス事務開発にするのか、あるいはシステム開発というようにロボ導入したときに事務構築するのかを比較して、どちらがよいのか、ロボを新規事務に提供するのかどうかを決められることです。それらを考えるプロセスについては、来年度に確立していきたいと考えています。


小さくはじめて現場を巻き込んでいく

次に、RPA導入に向けた取り組みということで、社内調整・外部調査のお話です。最初に取り組んだのは6年前で、経営からしたらかなり突然なタイミングで事務の全自動化ということをぶつけたような形でした。その結果、警戒されてしまい、社内調整にかなり時間がかかりました。

はじめるときにはフィジビリティスタディの一環として、当然技術調査というのがありました。やはり、販売会社の信頼性ですね。ベンチャー企業との取引、飛び込み営業でRPA テクノロジーズ代表の大角さんが来られたということもあります。

製品会社、開発会社の信頼性ということで、当然その製品会社の財務状況というのをしっかり見て採用できるかを考える必要があります。結果として、大手電機メーカーの販売会社の代理店があり、そこを経由して買いますということで、会社の信頼性は担保しました。

粘り強くやってるとだんだんと社内には味方が出てきて、最終的には社内の経営側が「やれ」と言ってくれたのが大きかったです。その経営の意向もあり、全社投資という形で投資、全額じゃなくて一部を投資いただきました。実験導入で実績を積み上げて、最終的にうまくいったというような事例です。ポイントとしては小さく始めるということ、現場を巻き込むということですね。

導入のプロセスとして、まずは大角さんから直接、私の配下のメンバーに「ロボットとは何か、なぜ必要なのか」を説明いただき、理解してもらいました。

ここがすごくポイントで、ロボットとは何なのかと分かりやすく説明できるかどうかが大きいです。これによって、非常に現場が理解してくれました。現場は、ハンド業務がたくさんあるのを結構苦しんでいます。どうせ投資してくれないだろうという思いがあって、諦めていたところに、ロボットがあればもしかしたら効率化できるんじゃないかということで、効率化できそうな作業を質問すると269もロボット候補が出てきたんです。

この269業務を分類して、導入できるかと、実際に来てもらいまず1業務を2日間で作ってもらいました。

支社本部で使用しているeシステムは、日本生命で作っているコテコテのホストシステムでログインができないとか、ログインができないからVPNをかましてログインするとか、そういったシステムの課題はまだ解決していません。

現在では、各課1ロボ、トライアル用のロボを作ってもらいました。現在その事務のやってる時間とロボを導入した場合の時間を実際の計測してもらい、効果が出たので開発計画を立てたというのが今の状況です。


単純業務からの解放、事務ミスへの心理的圧迫の軽減

RPA 導入の効果は、担当者・管理者・経営者というレイヤー別で異なります。担当者のレイヤーでは、単純業務からの解放、事務ミスへの心理的圧迫の軽減。これは部門Aでいろいろな声も聞いているので、やはりここは大きかったですね。背景として事務の複雑化ということ、そして事務ミスのリスクです。

例えばマイナンバーです。個人情報かなりリスク情報漏洩に対しても厳しい目というのがありますのでミスは許されません。そのため、担当者からするとこのロボの導入によって、かなり単純業務から解放されると喜びの声が上がっていました。

これは、最初の情報を情報確定して、後でロボにやらせなさい、3重チェックを1重チェックでいいとする経営の判断でした。

管理者というところで行くと、背景として女性活躍ですね。労働市場の枯渇と今言われてまして求められるそのワンランク上の仕事へ移行できる基盤づくりがあげられます。弊社は、事務業務職の女性と総合職の男性中心となっています。

今後事務職も総合職の仕事をやっていきなさいと言われてきますので、そこに移行するためにも、管理者からしたら積極的になります。その受け皿としてデジタルレイバーがあるということは、管理者にとっては1つの手段だなと思います。

もう効果を取るところがないなと思っていたけれど、RPAであれば、今までその効果が出ていなかった領域や、投資を諦めていた領域について、効果が出るかもしれないなということで部長も結構乗る気になってくれているのが現状です。


ライセンス方式とサーバー方式の違いとは

次に、ロボットの導入方式ですね。大きく2つあります。

1PC1ライセンス方式はパソコンの中にロボット入れます。このメリットは、カジュアルにロボット導入を開始できることです。対して、デメリットとして、パソコン自体は各階をまわして使うので、Aが9時から12時まで使ったら、13時から15時まではBだねとなります。パソコン自体が移動すると、同時並行、同時稼働は不可です。

サーバー方式は、ロボサーバーからホストやイントラに使います。これは各課が同時に処理できるということで非常に良いのですが、アクセスが集中するとロボの処理が遅くなりますし、セキュリティの問題などもあります。各会社のセキュリティポリシーによっては、サーバーに繋ぐと NGとなる場合もあるため、この単一PCでしか稼働できないことになります。

最後に、トライアルを通じて見えて来た課題です。ロボットは、インプットデータを整理することで、変質が低いと、効率化が減ります。それが課題となって、我々の部のような少量多変種は、一定のロボとなる業務でないと効果が出ません。

3つの事例として、業務用の削減率55%にロボットを入れると、効率化ができました。

ただし、時間としては、削減率は少なく、少量の小さな業務をたくさん集めないと効果が出ませんでした。

269業務の実態としては、年間の作業時間が50時間と100時間で、50時間が一番多くなっています。50時間だったら、1日で言うと何十分という世界です。これが269の内、170を占めるので、これをロボットで170個を作っても効果が出ません。 SEに来てもらって作るっていうことを考えて自分たちで見ていくと、作業時間が多い、20業務くらしかできないんじゃないかなと。結局269の内、249業務は残るというのが、少量多変種の小さな業務をいくらやろうとしても難しいだけの今のところ見えています。ただし、それでもハンド業務量の50%ぐらいの効果があります。


今後の課題は、AI-OCRでの文字認識率

今後の拡大のために、自由研究をやっています。OCRには文字認識率という問題があり、思ってるよりも効果が上がりませんでした。

あれから6年7年経って AI というのが出てきますので、今後は AI で文字認識ですね。OCRのときにうまくいかなかった業務要件がありましたが、今後、AIにより、インプットデータを紙でスキャリングしたら文字を正確に認識し、補正もいらなくなったら、入り口もロボットにデータを与えるまでの効果が大きくなります。ロボットの効果は先ほどの269の内の249のところもロボができるようになると思います。今後はそういう可能性も考えていきたいと思います。

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公開日
2018年3月13日

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