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帝人フロンティアのRPA挑戦と繊維業にもたらす革新

数度の組織再編を経て、商社・メーカーの機能を併せ持つ繊維業界で唯一の企業となった帝人フロンティア株式会社(大阪市北区)。同社では、業務効率向上による収益体質の強化を図るために、既存の業務内容や業務フローの抜本的な見直しを図る「BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)」に取り組んでおり、2017年6月に、その一環として、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)のソフトウェアを導入。定型的なバックオフィス業務の効率化で急速に実績を挙げている。現在ロボットが担う業務の内容や導入の経緯、ロボット化がもたらした社内へのインパクトなどを取材した。

紙ベースの入金処理業務を86%削減するRPAの威力

紙ベースの入金処理業務を86%削減するRPAの威力

「当社の源流は、明治時代から続く繊維商社。毎月の入金業務では、EDI(電子データ交換)の対象となっていない紙ベースの事務作業が多く残っています。従来、取引先から返送されてきた支払明細書をもとに基幹システム上の売掛金データを消し込む作業には全社で月260時間を費やしてきましたが、OCR(光学文字認識)とRPAの導入によって月35時間まで短縮。86%の削減を実現できる見通しです」。そう説明するのは、今回RPA導入プロジェクトを統括する帝人フロンティアの池田正宏財経本部長だ。

導入したロボットは、入金業務の担当者がスキャンした支払明細書の画像から、取引を行った部署と伝票の番号をそれぞれOCRで読み取って基幹システムにアクセス。読み取ったデータと一致する取引の記録を呼び出し、売掛金を消し込む処理までを自動で行う。何らかの理由でコードが読み取れなかった場合や、誤認識が生じたとみられるケースでは担当者に通知メールが送信される仕組みのため、自動実行中に立ち会う必要もない。明細書とシステム上のデータを1つ1つ人間が照合していた従来の手続きに比べ、作業効率は飛躍的に高まった。

決められたフォーマットの重要部分に絞って読み取る方式を採ったことで、OCRの認識精度は当初から85%を達成。さらに「読み取らせる部分を枠で囲むことや、余白を増やすこと、誤読の少ないフォントに変更することにより、現在は100%近い認識率に達している」(池田氏)という。

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