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AI-OCR真の価値は「手入力の解消」ではなく「経営判断の迅速化」にある――対談・Cogent Labs飯沼氏×セゾン情報システムズ小野氏

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用をリードする金融業界では2017年10月以降、日本銀行とメガバンク・地方銀行の担当者らがRPA導入時の課題と解決策について定期的な議論を行っている。実は、この席上で繰り返し指摘されているのが、わが国のオフィスで多用される“紙”の問題だ。

「定型作業をRPAで自動処理する前の段階で、紙文書をデータ化する手間がネックとなって活用範囲が思うように広がらない」という状況は、業界・業種を問わず多くの導入企業にも共通している。日本独自の「はんこ文化」が根強いこともあり、特に契約や決裁に関しては当分の間、紙を介した事務作業が残される可能性が高い。そのためRPAをはじめとするデジタルデータをベースにした事務処理への移行で業務の効率化・高付加価値化を図るには、両者の間をつなぐ高精度のOCR(光学文字認識)が不可欠の存在となる。

日本企業の生産性向上とイノベーションに、RPAとOCRは今後どのような形で貢献していくのか。AIを活用した日本語OCRを開発する株式会社Cogent Labs(コージェントラボ、東京都渋谷区)の代表取締役・飯沼純氏と、データ連携プラットフォームなどを提供する株式会社セゾン情報システムズ(東京都港区)の常務取締役CTO・小野和俊氏に聞いた。

株式会社Cogent Labs(コージェントラボ、東京都渋谷区)の代表取締役・飯沼純氏と株式会社セゾン情報システムズ(東京都港区)の常務取締役CTO・小野和俊氏
(左から)株式会社Cogent Labs代表取締役・飯沼純氏と、株式会社セゾン情報システムズ常務取締役CTO・小野和俊氏

OCRの「失敗」イメージをAIが一新する

-日本語OCRは40年近い歴史を持つテクノロジーです。ここへ来て、再びその重要性が注目されている要因としてはRPAのほか、長足の進化を遂げたAIを応用して読み取り精度が格段に上がったことも大きいようですね。

小野:ええ。実はわれわれセゾン情報システムズがコージェントラボとの協業を始めたのもAIに再度注目が集まったことがきっかけでした。

ディープラーニング(深層学習)によるAIの進化が話題になったのを機に「これで強力な手書き文字認識が現れるのでは」とリサーチを始めたところ、圧倒的に精度が高いReactive(コージェントラボの旧社名)の製品を見つけました。OCRは単体での導入も可能ですが、「読み取った内容をいったん確認してからアプリケーションに登録する」など、ワンクッションを挟める形で後続の処理と一体のソリューションを構築できれば利用価値がさらに高まると考えました。そこで、われわれのパッケージ製品であるファイル転送ミドルウエア「HULFT」やデータ連携ソフトウエア「DataSpider」との連携機能を準備しだしたというのが、今日に至る流れの始まりです。

以前のわれわれのように、AI-OCRの認識率を初めて知って驚く人は多いのではないですか?

飯沼:そうですね。ただAI-OCRというものに対して、最初は懐疑的な反応が圧倒的に多いです。これは一般的なAIの性質として、その判断が「なぜそうなったのかの検証が困難である」という側面があることに加え、「OCRを試したが成果に満足できなかった企業」が相当数にのぼるという過去の経緯があるためです。われわれのAI-OCR「Tegaki」をご紹介するときも「特定のテキストで最適化したときの認識率を発表しているのでは」「こういう文字は読めないでしょう」などと、かなり“意地悪”なことを言われています(笑)。

ですから私は、もっとも透明性の高い方法で性能をご理解いただくようにしています。訪問先で、先方の方に何か書いていただき、それをすぐスキャナ経由でTegakiの読み取りにかけるんですね。認識の結果が出ると、その精度の高さに「待てよ」と。それまでの雰囲気が一変します。

-「論より証拠」ですね。数あるAI-OCRの中でも、特にTegakiが高い認識率をアピールできているのは、どこに違いがあるのでしょうか。

飯沼:「文字単体だけでなく前後の文脈も判断材料に使う」といった技術的側面のほか、大きな要因となっているのが、

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