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行政機関のビッグデータで躍進、米国の治安を守るスタートアップPREDPOL

(文責:笠井)

行政機関に眠るビッグデータ

「オープンデータ」という言葉を御存じだろうか。 統計データや犯罪情報など、行政が蓄積した公共データを、利用しやすい形で公開することを指す。 ビッグデータの利用が近年叫ばれている中で、行政に蓄積されたデータも公開する流れが世界中で起きているのだ。 特にアメリカでは、2009年に政府機関が保有する情報を公開するためのサイト「Data.gov」をスタートさせており、オープンデータに積極的である。https://www.data.gov/
なぜこうしたオープンデータが進められているのだろうか。

オープンデータが社会問題を解決

こうした行政に蓄えられたビッグデータを公開することが、社会問題を解決する糸口になると考えているからだ。 オープンデータを利用する起業家や、経営者によって生み出された新たなビジネスが、雇用を生み出すことや、現存する社会問題を解決することを期待しているのだ。 特にアメリカでは、治安の維持が課題となっており、FBIの統計によると2012年では、主要犯罪(殺人,強姦,強盗,傷害,住居侵入,侵入盗及び非侵入盗)の認知件数が、約1034万人となっている。http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=221(外務省渡航データ))
こうした状況を打破するソリューションが、オープンデータを利用することによって生まれた。

犯罪予測で治安を守るスタートアップ“PREDPOL”

predpol_hero
http://www.predpol.com/about/company/

PREDPOLが提供する「Pred Pol」は、過去の犯罪データから、その日に犯罪が起こりそうな場所を特定し、そこにあらかじめ警察官を配置することで、犯罪を未然に防ぐことができる画期的なシステムである。 この犯罪予測システムは、パトカーや警察官らが持つタブレット等でも閲覧することができ、各警察官は臨機応変にパトロールを行い、犯罪を防ぐことができている。 米国では、過去に起こった犯罪データを公開することが進んでおり、例えばシカゴでは以下のように情報を公開するWEBサイトが設立されている。 https://data.cityofchicago.org/

こうしたオープンデータを利用することによって生まれたPred Polは、LAやシアトル、サンタクルーズなどで導入され目覚ましい成果を出しているという。 例えばLAでは、導入わずか4か月で13%の犯罪を軽減することに成功している。 http://www.predpol.com/results/
同社は300-400%の成長を続けており、アメリカだけではなく、全世界にこの犯罪予測システムを売り出していく考えだ。

日本でのオープンデータ

日本のオープンデータの現状はどうなっているのだろうか。 先にアメリカのでは2009年に情報公開サイト「Data.gov」が公開されたと記したが、日本で積極的なオープンデータへの取り組みは一足遅かった。 世界のオープンデータ化を進める、英国の「オープン・ナレッジ」は、世界規模でのオープンデータ現況調査「オープンデータインデックス2014」を公開し、日本はその中で19位という結果だという。 http://okfn.jp/2014/12/09/opendataindex2014/

立ち遅れている感はあるのだが、日本版「Data.gov」ともいえる「Data.go.jp」(http://www.data.go.jp/)が公開されているし、特定の地方自治体ではオープンデータに活発なところもある。 特に福井県鯖江市は、「データ シティ鯖江」を打ち出し、ホームページで公開する情報を多方面で利用できるよう工夫している。

まとめ

いかがだろうか。 アメリカではすでにPREDPOLのような企業が、数多く生まれているという。 行政機関によって収集されたデータは国民生活に密接に結びついている場合が多く、その情報価値は高い。 近い将来、このようなビッグデータが公開される時は必ず来る。 その時にどれほどの新事業が生まれ、我々の生活を変えることになるのか。 今後の動向から目が離せない。

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